ジャクリーン・カバソさんの発言

西部諸州法律基金事務局長、アボリション2000運営委員(アメリカ)
核兵器なくそう女性のつどい2001


戦後生まれのアメリカ市民として、アメリカ政府が広島と長崎に対しておこなった、決して許されてはならない、道理にも法律にも反する原爆投下に、心からお詫び申し上げます。

昨年のNPT再検討会議で、アメリカは核兵器完全廃絶を達成することに合意しました。しかし政府が核兵器を手放すとは思えません。核兵器研究所では、弾道弾ミサイル防衛や宇宙基地兵器などのハイテク兵器とともに、トンネルや地下壕など普通の兵器では破壊できない標的を破壊できる小型核兵器が、静かにつくられています。通常兵器と核兵器の境があいまいにされる危険があります。

さらにアメリカは新しい核兵器施設をつくり、新しい世代の核科学者たちを養成し、「核兵器貯蔵管理計画」の名で核兵器の設計・生産を進めています。未臨界実験やコンピューター・シュミレーションを含む、アメリカ所有の兵器すべてについて質の向上を図るものです。その中心は巨大なレーザー施設(国立点火施設=NIF)で、特殊ガラスの部品は日本の大企業HOYA(保谷ガラス)が製造しています。このレーザーは、ごく短時間で閉じ込められた核熱爆発を起こすものです。明らかに、包括的核実験禁止条約(CTBT)と核不拡散条約(NPT)のもとでアメリカと日本が負っている義務に違反します。

この危険な状態に加えてブッシュ政権は、弾道弾ミサイルを必要に応じて配備するため、弾道弾迎撃ミサイル条約から離脱しようとしています。現在の武器管理の枠組みを壊し、ロシアや中国との新たな軍拡競争に火をつけることになりかねません。ブッシュの核兵器政策の特徴は、「数はより少ないがより新しい兵器で」といえます。全国ミサイル防衛、戦域ミサイル防衛(TMD)、宇宙基地兵器、核の先制使用、より精巧で低出力の核兵器と、すべてがアメリカ推進の攻撃的世界戦争遂行システムを構成しています。新しい駐日アメリカ大使ハワード・ベイカー氏は、「日本は憲法9条を変えて、別の国に向けて発射されたミサイルを撃ち落とすために使用できるシステムの開発を続ける必要があるだろう」と述べています。

アメリカの長期的軍事目標は「地球のあらゆる標的を手ごろに破壊または無効にするために」「高度に効果的な兵器を世界のどこにでも直ちに効果的に運ぶ能力をもつ」ことです。各国が同じ目標を持ては、結果は果てしない、はかりしれない死と破壊をもたらす軍事競争です。世界で唯一生き残った核大国が「安全保障上、核の先制攻撃が必要だ」と言うなら、ほかの国があとに続かないと言い切れるでしょうか。

インドの作家、アルンジャティ・ロイは、インドとパキスタンの核実験は「想像力の終わり」だと語りました。私たちは核兵器廃絶の達成に向け、創造力と想像力を鍛える必要があります。未来を前向きに展望しなければなりません。地平線には暗いきのこ雲ではなく、青い空と命を生み出す雨雲を見出さなければなりません。私たちが幸運ならば、嵐の後に美しい虹を見ることができるでしょう。