ヘイリー・コプリー・カニンガムさんの発言

タフツ大学ピースアクション会長
核兵器なくそう女性のつどい2016


私は、ヘイリーといいます。マサチューセッツ州ボストンで、タフツ大学ピースアクション(TPA)の会長をしています。TPAは、学生活動家のグループで、より公正で平和なアメリカの外交政策をつくること、人権を推進し、戦争と核兵器をなくすことをめざしています。私は、アメリカで大きくなりつつある大学の平和運動の代表として、今ここにいます。みなさんへの激励となることを伝えたいと思います。それは、私たちの運動は、被爆者のお話を深く心に受け止め、核軍縮への直接行動を行なっているということです。
私は幼い頃から、父に他の人々のためになることをするようにと教えられて育ちました。地元のフードバンクでのボランティア活動に始まって、ガールスカウトなど地域の奉仕活動にも積極的に参加し、世界をより良い場所にすることが、私の人生の中心になりました。外国の言語や文化を学びたいという強い思いも、私がグローバルに考え国際的な協力や団結のために活動する力になっています。
私がピースアクションにかかわるようになったきっかけは、授業をさぼって、有名な言語学者であり活動家でもあるノーム・チョムスキーの講演を聞きに行ったことです。マサチューセッツ・ピースアクションが主催し、会場は私の大学でした。マサチューセッツ・ピースアクションは、核兵器をはじめ、平和を脅かしている問題に取り組んでいる団体です。チョムスキーの講演は、会場を埋め尽くした聴衆に対して、核による絶滅の現実の脅威を理解しその恐ろしさを実感させる、すばらしいものでした。その日の夜、私は、マサチューセッツ・ピースアクションのコール・ハリソンさんに会い、自分の大学にピースアクションをつくって自分がその先頭に立つことを約束しました。
核軍縮について、TPAは3つの戦略を持っています。まず、タフツ大学の学生や地元の人たちに、核の脅威について知らせ、核兵器が社会的に許されないものであるという意識を高めることです。TPAは、大学に被爆者を招いてお話ししていただきたいと考えています。2つめは、学生たちに力をつけて、署名やデモ、執筆やロビイングなど政治的な行動を始めることです。私は自分の体験から、ロビイングの力を実感しています。今年5月、私はマサチューセッツ・ピースアクションの一員としてワシントンに行き、ロビイングに参加しました。オバマ大統領が広島を訪問する2日前に、私たちは、大統領に核軍縮のための具体的措置をとることを求める数千人分の署名を、マサチューセッツ州選出のエド・マーキー上院議員に届けました。
翌日、私はその成果を目にしました。マーキー議員は上院で発言して、計画中の新型の核巡航ミサイルへの支出の停止を提案し、核軍縮をめざす動議を出したのです。
3つ目の戦略は、パックスの「爆弾に投資するなキャンペーン」にヒントを得ました。タフツ大学ピースアクションは、大学に対して、核兵器生産にかかわっている銀行、企業、金融機関への投資をやめるよう圧力をかけるキャンペーンを開始します。すでにケンブリッジ市議会が、数10億ドルに及ぶ市の年金基金による核兵器生産関連団体への投資引き揚げを全会一致で決議しており、私たちもこれに続く成果を収めたいと思っています。
先に述べたように、タフツ大学ピースアクションの取り組みは、アメリカにおける若い世代の平和運動の高まりを示すものです。歴史ある平和活動団体が、リーダーや活動家としての力をつけるための資材を学生たちに提供し、次世代の活動家を励まし育てることが、重要です。
世界大会に参加し、各国の人々と交流することができ、とても光栄です。私の言葉が、アメリカにおける核軍縮の未来への希望を伝えることができえれば、うれしいです。このような会議は、私たちの運動を強化する重要なツールです。平和運動は私たちがともに生きることができるか、あるいはともに死ぬのかにかかわっており、国境を越えて広がらなければなりません。発言の機会をくださり、ありがとうございました。

セルマ・ファン・オーストワードさんの発言

パックス核軍縮チーム
核兵器なくそう女性のつどい2016


実行委員会のみなさんのすばらしいとりくみに感謝します。日本と世界各地の活動についての報告をきき、ここに集っているすべてのみなさんと知識や経験を交流することができ、とても光栄です。
私は、パックスの核軍縮チームに所属し、核兵器廃絶のために活動しています。パックスはオランダに本部を置く平和団体です。オランダは核兵器こそ保有していませんが、NATOの核兵器共有取決めに参加し、アメリカの核兵器約20発を配備しています。世界の大多数の政府が核兵器を禁止し廃絶する条約の交渉を支持していますが、残念ながらオランダはその立場に立っていません。
オスロー、ナジャリット、ウィーンで、歴史上初めて各国政府と市民社会が核兵器使用の人道的結果について議論したとき、私たちは、今こそオランダ政府に圧力をかける時だと考えました。私たちは、「市民イニシアチブ」と呼ばれる、オランダ独特の政治キャンペーンの手段を活用しました。これは、過去2年間オランダの国会で議論されていない議題の提案を支持する署名を4万人分以上集めれば、国会はその議題を取り上げる義務があるという制度です。そこで私たちは、国として核兵器を禁止するという正式な提案を作成し、町に出て署名を集めました。さまざまな政党に属する多くの自治体首長や若者の政治団体、宗教指導者、オランダの著名人がキャンペーンのバッジを身に着け、私たちが作ったキャンペーン用の巨大な、しかし平和的な爆弾の模型といっしょに写したセルフィーをシェアし、SNSの自分のフォロワーに署名を呼びかけるなど、PAXの提案への支持を表明してくれました。そして今年4月、私たちの「オランダ国内での核兵器禁止」の提案が、国会で審議されました。核軍縮への具体的措置を求める4つの動議が出され、いずれも圧倒的多数の支持で採択されました。そのうち最も重要な動議は、オランダ政府に対し、核兵器を禁止する国際条約の交渉開始のために積極的に努力するよう求めるものです。残念ながらオランダ政府はまだ、交渉の開始を呼びかけるという、最も重要な一歩を踏み出していません。一方で、国内外の圧力は高まっており、政府はもはやその方向に前進しなければならないことを否定できなくなっています。
ここ広島に来て、明日私たちは広島への原爆投下から71年を迎えます。 犠牲者を偲び、被爆者の証言を聞き続けてきた71年、私たちの先輩たちが「二度と繰り返すな」と言い続けてきた71年を経て、私たちは、核兵器の廃絶は人道上緊急に必要な課題だと感じています。今月、国連のオープンエンド作業部会において、私たちの政府は、核兵器を禁止する法的拘束力のある条約の交渉への呼びかけを支持し、多国間核軍縮交渉に向かって踏み出す機会としなければなりません。
私はみなさんの活動と献身に励まされています。そして、これまでにつくられた中で最も破壊力が大きく、非人道的かつ無差別の兵器を禁止し廃絶するという最優先課題にとりくむ決意をいっそう固めています。
ありがとうございました。

レイラ・ベン・サイードさんの発言

中東大学プロジェクト「夾竹桃イニシアチブ」
核兵器なくそう女性のつどい2016


こんにちは!
「核兵器なくそう!女性のつどい2016」に参加することができ、とてもうれしく思います。みなさんとここに集い、私の国チュニジアについてお話しできることを、大変光栄です。
はじめに、ボストンにある中東大学プロジェクトの事務局長、レイ・マツミヤさんに、中東北アフリカ地域の教師たちが発言力を持ち、教師として力をつける手助けをしてくださっていることに感謝をしたいと思います。そして、この世界大会への参加を支援して下さった女性平和基金にお礼を申し上げます。
正直、私は核兵器のことをほとんど気にかけていませんでした。私の国では、社会や政治の安定の方に関心が高く、核兵器の現実の脅威について意識している人はいません。しかし、今日世界で起こっていること、特にチュニジアの状況から、「放射能汚染爆弾」の破滅的な影響をもっと学び、生徒たちに核兵器を禁止し平和の文化をつくる大切さについての意識を高めてもらいたいと思い、中東大学プロジェクトに参加することにしました。
実際、チュニジアはアラブ世界で起った民衆蜂起の中で民主主義への移行に成功した唯一の国と思われていますが、チュニジアの民主主義はもろく、今年に入って起っている予期しない悲痛な出来事を受けて、ぐらついています。また、革命後のチュニジアを成功例とみなすことは、誤解を招くおそれがあります。私たちは、暴力、レイプ、テロの行使、現在も続いている軍隊への攻撃や観光客に対する恐ろしい攻撃など、悲しいニュースがあまりにも多くて、もはや当たり前のことになってしまっています。
もし、核兵器がISのようなテロリスト集団の手に渡ってしまったら、一体どうなるでしょうか?
ジェンダー平等に関して、私たちは他のアラブ諸国の女性たちに比べて、自分たちの権利を十分に享受しているとよく言われます。自由を持っていてうらやましいと言われます。チュニジアの女性は常に、自由と民主主義をめざす絶え間ないたたかいの先頭に立ってきました。ですから、革命への参加は、私たちがあらゆる形の抑圧に対してたたかうことを、はっきりと示すものなのです。
チュニジアは、平等の権利とジェンダーにもとづく暴力からの保護を保障した憲法を採択しました。これは、女性や少女たちにとって、とても大きな前進の一歩です。
しかし、差別的な法律がまだ存在しており、課題は多く残されています。暴力の被害を受けた女性たちへの行き届いたケアやサポートが、制度として確立していません。
チュニジアは、イスラム教の国ですが、何年も前に法律で一夫多妻を禁止しました。しかし、一部の過激な勢力が合法化を求めています。悲しいことに、階層にかかわらず、多くの女子学生たちが次々とISのような過激派に取り込まれ、性的ジハードへの参加を求められています。
チュニジアにとって今必要なことは、人々の意識革命です。平和教育が必要です。教育とは、教師を満足させるため、あるいはいい成績をとるため何を覚えればいいかを知ることではありません。
私は、学校での紛争防止と解決の訓練プログラムをつくりたいと真剣に考えています。その実現のための資源はありませんが、強い志をもっています。教師は、平和の文化へと社会をかえる力を持っていると思います。
私は、ササキサダコの物語に心を打たれました。男女を問わず生徒たちに力をつけるための教材になるものなので、自分の学校の生徒に教えようと思っています。どれほど絶望的な状況のなかでも、人は回復する力を持っていること、日本の伝統的な文化がその助けになったことを、知ってほしいのです。広島が戦争による破滅的な悲劇の象徴にとどまらず、がれきの中から立ち上がった街であることを、知ってほしいのです。
生徒たちに、サダコの勇気やほかのさまざまな物語から、力を得てほしいと思っています。「夾竹桃イニシアチブ」を通じて、より平和な未来をつくるために過去から学ぼうと考えています。
若者たちの参加なしに、人類の発展はありません。能力を発揮する機会と助言さえあれば、彼らは、責任を担うことができるのです。
ありがとうございました。