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Marion Kuepker

Marion Kuepker

Marion Kuepker

International Coordinator, German Peace Society –
War Resisters League Coordinator,
Nonviolent Action to Abolish Nuclear Weapons
No Nukes! Women’s Forum 2011


こんにちは。平和の友人のみなさん

私を招待してくださった女性平和基金にとても感謝しています。ドイツの反核平和運動から心からの挨拶を送ります。ドイツの反核平和運動は、福島の大惨事が起こって以後、日本の人々の安全をとても心配しています。さらに、ビュッヒェルの核基地の正門前で今この瞬間ヒロシマ・ナガサキデーを記念する1週間のハンストを行っている活動家たちからのあたたかい挨拶も送ります。ビュッヒェルには、ドイツ国内に残されているアメリカの核爆弾約20個が配備されており、そのひとつひとつが長崎型の爆弾の数倍の爆発力を持っています。NATOの核兵器共有協定により、ドイツ軍のパイロットは有事の際にその爆弾を運び目標に投下することになっています。

この数年間、48の団体や組織がこれら核兵器の撤去を求める運動を行っており、現在その運動をさらに強める活動を展開しています。

ロビー活動から市民的不服従運動まで、私たちの行動の最も重要な成果は、2009年の政権の連立合意にNATO同盟国との協議を通じてこれら核兵器を撤去することが決められたことです。2010年4月以降、国会は核兵器撤去を求める決議を全会一致で採択しています。

そしてドイツは今まさに、 原子力からの段階的な撤退を始めることによって、再生可能エネルギーからの電力供給は可能であるというシグナルを世界に発信しているところです。

2011年6 月の政府決議によれば、ドイツでは最も古い原子炉の半分が廃炉されることになりました。福島原発事故は、ドイツにおける原子力論争にも転機をもたらしました。人々は全国700を超える場所で毎週月曜日に開かれる集会に集いました。20の都市で、原子力からの即時撤退を求める大規模なデモが同時並行で行われました。25 万人が参加したこの行動は、原子力の使用に反対するドイツで最大の抗議行動になりました。

抗議の参加者の多くは子どもを連れた女性たちでした。私たちは、1986年ヨーロッパをおそったチェルノブイリの大惨事のときに、悲惨な事故に対して女性の方が男性よりもより容易に対応できるということを経験しました。社会的なしつけのなかで、女性の方が感情を表現することを許されるため、気が遠くなるような感覚とよりよく折り合いをつけることができ、よりよい行動をとることができるのです。1986年に私たちは、チェルノブイリから1000km以上離れているのに、子どもを外で遊ばせてはいけない、雨にあたってはいけないと言われました。新しい女性団体が生まれ、たとえば「放射能汚染のない食べ物をもとめる女性の会」は、有機食品の店で独自の放射線測定を行いました。反核運動の支援を得て、私たちは今日まで、食べ物に含まれるさまざまな放射性同位元素を測定する独立した環境研究所をもつことができています。だからこそ、昨年政府が20年以上もたったのでドイツ南部の森の野いちご、マッシュルーム、イノシシを食べても大丈夫だと言ったとき、私たちは反対することができたのです。

世界には400を超える原子力発電所がありますが、そのおよそ半数がヨーロッパに建っています。マヤック、ハリスバーグ、チェルノブイリ、そしてフクシマと、巨大な原子力事故が今まで何年ごとに起こってきたかを思うとき、次の超巨大事故がどれほど近い将来に現実のものとなり得るか、誰にでも予測することができます。

私たちは、政府を信用することはできないこと、政府を管理し圧力をかけなければならないことを学びました。ですから私たちの運動は、民主主義の拡充と草の根の組織のためのものでもあるのです。

日本の女性たちも今、福島の深刻な事態が続いているこの困難なときに、家族や友人の健康を守る上で非常に重要な役割を果たすことでしょう。長年の経験をもつドイツの反核運動はみなさんに連帯し、支援と協力を惜しみません。

世界中で完全なエネルギーの転換をめざす私たちの国際的な非暴力のたたかいは、始まったばかりです。
私たちは世界中のすべての原子力発電所の即時閉鎖をもとめます!
世界はその準備ができています!
ノーモア・ヒロシマ!
ノーモア・ナガサキ!
ノーモア・フクシマ!
ありがとうございました。