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Nina Eisenhardt

Nina Eisenhardt

Nina Eisenhardt

核兵器禁止世代(BANg)コーディネーター
核兵器なくそう女性のつどい2012


友人のみなさん。

ヨーロッパの若者の関心や活動について話す機会をくださり、ありがとうございます。私は、ヨーロッパの青年ネットワーク 「核兵器禁止世代」(BANg)を代表しています。BANgは若者たちがイベントを組織しアイデアを共有するためのオープンなネットワークで、自分たちの未来が核の惨事に脅かされていると感じ、立ち上げました。私たち自身の未来です。ですから、戦争の惨禍のない、友達や家族を危険にさらしている核兵器のない安全な未来をもとめ、声をあげようと決めたものです。

ヨーロッパにおいて、私たち青年は、一連の問題に直面し、将来を強く懸念しています。経済危機の影響の中で、日々苦闘もしています。ヨーロッパでは、青年の4人に1人が失業しています。こうした日々の問題に悩む私たちの関心が、ヨーロッパに配備されたフランス、イギリス、アメリカの核兵器に向かわないのも、当然です。

BANgは変化をもたらすカギは教育だと考えています。自分たちの未来を要求する権利があることを青年たちに知らせなければなりません。青年たちと話すとき、私たちは2つの重要なメッセージを伝えています。

ひとつは、広島と長崎の経験です。ほとんどの人は、核兵器という抽象的な概念を核のきのこ雲のイメージに結び付けています。しかし、真実はこれでけではありません。被爆者の苦しみを知る必要があります。今年5月ウィーンでの第1回NPT準備委員会で行われたような、原爆展はとても役に立ちます。私は、ウィーンでのオープニングであいさつできたことを、うれしく思っています。そして、青年が被爆者のお話を聞くことは、とてもよい経験になります。BANgは、こうした被爆者の証言を聞く会を毎年企画しており、今年はウィーンでも行いました。

ふたつめは、文化的理解を促進して、境界を取り払い、安全に暮らすためには、敵味方という枠組みで考えることをやめるべきであることを示さなければなりません。

青年を教育するだけでなく、自発的に行動する力をつけることも大切です。

来年、ノルウェーで核兵器の人道的被害に関する会議が開かれます。BANgは今こそ、活動の中心をNPT会議から、もっと有望な核兵器の人道的被害に関する会議に移す時だと考えます。私の世代は、冷戦の後に生まれ、5つの安全保障理事会の常任理事会が合法的に核兵器を保有する論理をこれ以上続けるべきではないと考えます。

以上の理由から、BANgは核兵器禁止条約への支持を広げるために、ノルウェーの会議に若者を送ることを決定しました。私たちは、ヨーロッパ各国から青年を集め、自分たちには行動し変化を起こす力があることを教えたいと思っています。運動や地域のグループの立ち上げをすすめるための力をつけることが重要です。それを通じて、核兵器の人道的影響や解決方法について、自分たちの国の青年たちに伝えることができるようになります。BANgのなかで、若い女性たちは、運動やイベントの組織の先頭に立っています。女性の私たちには、大きな力があります。子どもたちを教育し、市民社会をつくっていくのは、私たちなのですから。私たちには、子どもたちに核兵器の実相を伝え、文化を理解し合う心を育てることができると思います。

こうした活動によって、政府は国民に核抑止論のうそを言い続けることはできなくなります。そして人類は核時代を生きのびるチャンスをつかむでしょう。