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レナータ・イズマイロワさん

2001年  

私は核兵器をもつことに賛成の人たちに聞きたい。“わたしのような障害をもった子どもがほしいですか?”と。核実験の被害を身をもって伝えようと、不自由な体で父親とともに来日したレナータ・イズマイロワ(2001)さん。

レナータ・イズマイロワさん

レナータ・イズマイロワさん

セミパラチンスク核実験被害者(カザフスタン)
翻訳者:伊藤 知代
第47回日本母親大会国際シンポ 安保50年・女性憲法年特別企画


今年、私は第47回日本母親大会に招待されました。

私は第47回日本母親大会に招待され、8月25日に国際シンポジウムで、そして26日には日本母親大会全体会で発言するよう依頼されました。私にとってこれは大きな名誉です。私は演壇に立ち、自分の意見を述べ、日本の女性たちと会う機会をもつことができ、とてもうれしかったです。

アメリカの潜水艦と日本の実習船との衝突事故で亡くなった子どもの両親との出会いは、私の心に深い印象を残しました。両親が自分の子どもを亡くすというのは、とてもつらいことです。あの子どもたちの人生はまだ始まったばかりでした。

私は、母親たちと知り合いになり、母親たちの話を聞いて、私の中にさらに大きなエネルギーが生まれました。私は、核兵器に反対するたたかいを続けることにいっそう確信を得ました。

被害者の青年達にこそ援助が必要です。

私は、セミパラチンスク核実験場での核実験被害者です。被害者たちがどのような困難にぶつかっているかを知っています。

被害者たちの問題が理解できるので、私は若い人たちを助けようと努力しました。

昨年、私は原水爆禁止世界大会に参加しました。広島、長崎の街に訪れ、平和公園や原爆資料館を訪問し、核兵器のない世界をめざして闘っている日本の人たちと知りあいになって、私は核兵器に反対してたたかう自分の意志をいっそう強くしました。帰国してから、何度も小中学生たちとの集いを開き、世界大会や広島、長崎の悲劇について話をしました。

今年、《サレナ》という青年反核基金を創設しました。基金の名称は、名前のように聞こえます。すなわち、日本の少女の名前「サダコ」とカザフスタンの少女の名前「サマル」です。

基金の目的は、放射能の被害をうけた14才から21才までの青年たちに支援をおこなうことです。このような年齢制限を選んだのは、この時期に若い人たちの前に、義務教育の修了、その後の進路の選択、高等教育を受けること、仕事に就くことといった諸問題が、とりわけするどく生じてくるからです。この時期、若者たちに、まわりの世界についての自分自身の考えが形成されます。彼らは、自分の社会的な地位を確立しようとします。後の世代の被害者たちの問題は、特別な仕方で解決されなくてはなりません。だから彼らにこそ、援助が不可欠なのです。
自分の基金を創設しつつ、私は核兵器に反対してたたかうという消すことのできない願いをもう一度確認しています。

核技術の開発はたくさんの問題を引き起こします。

もし核兵器を開発しつづけるなら、それは人々を永遠の苦しみにさらすということを意味します。核技術の開発は、新しい核兵器の創設と核戦争の脅威をもたらすだけでなく、放射能源の貯蔵の安全性、核廃棄物とその埋蔵に関連したたくさんの問題を引き起こします。結果として、医療的なリハビリテーション、医療上の特典の問題や、経済的な問題が起こります。

政治家のみなさん、核兵器の改良のために働いている物理学者のみなさん!
自分たちの打算は脇において、自分たちの子どもや孫の目を見て下さい。考えて下さい、彼らに核兵器競争は必要でしょうか?最初の原子爆弾をつくり、実験したあなたがたの先輩たちは、おそらく、後輩たちが強力な核兵器に感謝すると思ったのでしょう。私は、核兵器に何の感謝もしていないと答えます。だいなしにされた運命に対して、どうやって感謝できるでしょう。
生きている人たちに核兵器が使用された非人間性と残酷さを、今に至るまで、広島と長崎は私たちに思いださせます。

私は自分の町で反核活動をおこなうつもりです。

今、故郷に帰って、私は自分の町のタルディゴルガンで、学生たちのあいだでの反核活動をおこなうつもりです。第47回母親大会のこと、核兵器に反対するたたかいについて話をしていきます。私は、いっそう多くの人が、戦争や兵器?特に核兵器?の使用がどのような苦しみをもたらすのかを知るように、努力したいし、しようと思います。

私たちは、子どもたちが苦しまないように、そして彼らに幸せで健康な子ども時代があるように、核兵器に反対してたたかわなくてはなりません。母親たちが、自分の子どもたちの生命や子どもたちの未来のことを不安に思うようなことがあってはなりません。

 

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