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テレシータ・ロサレス・アバナさん

2013年  
Teresita Rosales Abana

テレシータ・ロサレス・アバナさん

非核フィリピン連合代表
核兵器なくそう女性のつどい2013


連帯のあいさつを送ります。日本のみなさん、海外の代表のみなさん、私が日本に来るのは初めてです。日本に来るのはずっと夢でしたが、それが実現するとは思っていませんでした。

その理由は私たちの暗い歴史にあります。第2次世界大戦中、フィリピンは日本に占領されました。私は、私の父やフリーダムファイター、自由のために戦う人たちが、「死の行進」をいかにして生き延びたか、そんな話を聞いて育ちました。何千人もの人たちが、若者が、飢えや日本軍による拷問で死にました。女性たちはレイプされ、「慰安婦」と呼ばれる性奴隷にされました。

私にとって戦争や核兵器についての真実はひとつです。人が死ぬということです。
だからこそ、広島と長崎で罪のない人々の命を奪った原爆の犠牲者のことを思うと、私の心は痛みます。アルバート・アインシュタインが、原爆ではなく貧困をなくすための方法を発明していたらよかったのにと思うのです。

日本に来るのは、私にとってとても困難な課題です。フィリピンの労働者、女性を代表してとしてみなさんの前に立ち、私は、みなさんとともに、この地球上から核兵器を廃絶するためにたたかうことをお伝えします。私たちは、人間として、尊厳と平和をかけて、男性によってもたらされる社会の破壊という脅威に対して、立ち向かっていかなければいけません。

女性がフィリピンの米軍基地撤去のために果たした役割を過小評価することはできません。私たちは毎日、アメリカ大使館の前で、クラーク空軍基地の前で、スービック海軍基地の前で、抗議行動を続けました。何千人もの政治・平和活動家が逮捕され、未だに行方不明になったままの人もいます。

強大でありあまる資金に支えられた米軍のプロパガンダに対し、人々の意識を高め組織するのは難しいことでした。貧困が組織上の障害になりました。基地の周りでは、主な産業のひとつが売買春なのです。こうした実態の中で、米軍が撤退すると仕事がなくなり国の経済が悪化するというプロパガンダに対抗するのは大変でした。

ですが、私たちは粘り強く基地の周辺の女性たちに働きかけと啓蒙を続けました。貧困から自由になり、売買春をなくし、女性やフィリピン国民に対する不平等な扱いや差別を終わらせる、今置かれている状況をかえたいと女性たち自身が叫ぶようになったのです。

そして1991年9月、フィリピンの上院は勇気ある歴史的な決定をしました。アメリカと結んでいた基地協定を更新しないと決め、米軍基地を撤去させました。

私たちはこれからもとりくみを強めていかなければなりません。国レベルで、地域レベルで、そして世界中で力を合わせましょう。そして、平和と核兵器廃絶を実現しましょう。私たちに必要なのは人と人の連帯です。社会の意識をたかめる努力を続けましょう。

日本の女性たち、世界中の女性たち、手を取り合って、核兵器を保有する国ぐにが、私たちを核の破局へと導こうとするのを阻止しましょう。No nukes!

 

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