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ケイラ・ウォーリーさん

2017年  

Kayla Worleyタフツ・ピースアクション
核兵器なくそう女性のつどい2017


ようやく時差ボケが直り、この数日間頭の中でぐるぐるとまわっていたアイディアをじっくり考える用意ができました。ご存じのように、私は、この5月、国際青年リレー行進者として東京、神奈川、そして静岡まで歩きました。日本の市民と出会った25日間と、この世界大会でのインスピレーションの連続の毎日の中で、私の考えはいつもひとつのことに行きつきました。それは、普通の人たちは、こうした行事や私たちが議論している問題について、ほとんど知らないということです。

人々の権利や関心にこたえる世界は、情報を得て知識を身に着けた大衆という強力な基盤なしには実現できません。そうでないと、政府は好き放題に、人々に気づかれることなく権利を侵害することができます。私たちは、既存の教育や、腐敗し企業や市民としての自覚のない大衆に焦点をあてているマスメディアから離れて活動を展開する必要があります。現代社会は、少なくとも先進国に住む私の目から見れば、常に無分別な消費と娯楽など、政府のますます独裁的になっている行動から人々の注意をそらすものをつくり、奨励しています。私の世代は、就職や自分の生活のことで精いっぱいで、大半が世界で起っていることに関心をもっていません。

私たち若者は、私たちがつくりだしているがらくたを買うだけのお金を稼ぐために必要な成績をおさめられないのではという強迫観念にいつもとらわれています。浅はかな大量消費社会のせいです。私は物心ついてから、ずっと聞かれてきました。どんな仕事に就きたいの?10年後にどうやって稼いでいるつもりなの?こうした考え方を打ち破る教育が必要です。なぜ、モラルが教えられていないのでしょう?なぜ私はこれまで受けた学校教育の中で、朝鮮戦争やベトナム戦争について何も学んでこなかったのでしょう?なぜ私たちは、違法な賃金で私たちが消費する安っぽいものをつくらされている人たちのことを知らないのでしょう?そして、なぜ私は、自分の地域の議員に電話をかけてもいいことや自分を代表する議員が誰なのかを知らずにいたのでしょう?

私たちの軍事と企業優先の政府は言うまでもなく、私たちが彼らのめざすものを支持するようにカリキュラムをつくっているのです。私たちの教育システムは、十分な情報を持ち、物事を批判的に考え、政府に自分たちの利益を守らせることができる一般大衆をつくり、社会の基盤となるものであるべきです。現実は、何の疑問も持たず、恐ろしい人権侵害が横行する荒地でお金に追われて1日中働くロボットをつくる工場のようになっています。

私はいなかの少々隔絶した街で生まれ育ちましたが、もしそこに住み続けていたら、今述べたような人生を送っていたのではないか、自己満足にとらわれてこうした不公正なシステムについて無知のままでいたのではないかと思うとぞっとします。去年の大統領選挙の時、私は18歳になっていましたがあやうく投票しないところでした。候補者が訴えている問題について自分が十分わかっていないと感じていて、気分に訴えるものではなく、理解することによって自分の1票を投じたいと思ったのです。今、十分な知識を持つために歴史か政治学を専攻したいと考えています。

とても後れを取ってしまった気がします。

私が訴えたいことは、市民の権利 についての教育をつよめる方向で教育のあり方を根本から変えるということです。公民教育は私の高校の授業では必修ですらありませんでした。私たちは、まず次の世代が自分たちの政府についての無知から解放されない限り、何も始まりません。そして、ソーシャルメディアのような、政府がそう簡単にコントロールできない新しい媒体を使った情報発信を考えなければなりません。私はこれらすべてをどう実行していくかについてすべてはっきりとわかっているわけではありませんが、今のあり方を続けていくことはできないということだけは、理解しています。先生やみなさんと意見交換をしていきたいと思います。

 

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